2004年02月20日 「岐阜市の生ごみ堆肥化を見学して」(2)「加子母村発日本材の活用-森林の再生の町づくり
場所 = 松江市環境センター3階研修室
今回は、昨年11月に岐阜県へ視察研修されたときの報告と感想を、環境大学村の村人でもある勝部加代さんと柳浦義治さんから、伺いました。
(1) 岐阜市の生ごみ堆肥化を見学して
どういう取り組みか、まずはこちらをご覧ください。
【リンク】「環境浄化を進める会 岐阜」に関する記事
■ごみ回収といえば男の仕事。そんな思い込みが見事に裏切られた。実際には40代くらいの女性の方々が、キラキラ輝きながらごみ回収をされていた。とても清潔な服を着て、回収車はピカピカに掃除が行き届いていた。臭いもほぼゼロ。誇りをもって仕事をされている姿にとても感動した。
■ゴミの回収、処理場での堆肥化、出来た堆肥の配布。これらのすべてを行政ではなくNPOが引き受けてされている点がすごい。
■たとえ生ゴミから堆肥を生産出来たとしても、その堆肥が利用されなければ、つまり出口がなければ、全体がうまく回らない。その点この事業では初めから農家に堆肥を利用してもらう契約をし、うまく回っている。
■生ごみ回収用の袋は特殊な袋だ。違いのひとつは生分解性があることだ。つまり普通のプラスチックの袋とは違い、時間がたてば袋自体が分解される。だから袋ごとゴミ工場に投入できるし、袋ごと堆肥になる。また袋にはEM(有用微生物群)菌が織り交ぜてある。これにより、生ごみを入れた袋は時間がたっても悪臭がほとんどしない。
■この袋は、代表の藤川さん自身が試行錯誤して作り上げたものだ。大量生産できないため、現在この袋は1枚50円と高めだ。藤川さんは、全国にこのゴミ袋をPRして、大量生産できるようにして、単価を下げたいとおっしゃっていた。
加子母村発日本材の活用-森林の再生の町づくり
■日本の林業の荒廃。荒れた山。放置される森林。森林に関する様々な問題がある中で、森林の再生のためのヒントが加子母村にはありそうだ。
■加子母村ってどんな村?
岐阜県。94%が山林。良質なひのきの生産地。人口約3400人。12の製材店、21の工務店がありこの数は人口からみてものすごく多い。公共建築物は、ほぼすべて木造建築。村全体に木の文化、木を中心とした社会が息づいており、村ぐるみで熱心に守っている。
木造校舎・加子母小学校(「東濃ヒノキの故郷と木造校舎」より)
■故郷へ帰ってくる人々
大学進学や就職で、一度加子母村から出て行った人も30代後半くらいまでに約2/3の人が故郷へ帰ってくる。そのため高齢化は進んでいるものの、人口は近年安定しているし、小学生の数も250人と多い。
■山林王はいない
みんなが少しづつ山林を所有しており、決して山林王はいない。
■産業は林業・建築・製材・農業
■木造建築は神戸から東京が商圏であり、受注があれば現地へ行き、飯場(建築現場付近に設ける宿泊設備)を建てて現地で寝泊りしながら建築する。ある程度は自給自足の生活が出来るので、生活費は余りかからないようだ。